古代から今に

毎日通る道が黄金一色になり秋の収穫時期が迫った 手つかずの広い稲作田原の光景は目をみはるばかり やがて大型機械が現れ日に日に収穫作業がすすんだ その大昔 弥生の稲作集落地として当時は我が国随一でたっただろうといわれる 田原を眼下にする丘には前方後円の古墳がある 多分この集落の支配階級の人物が 祀られたものと推測されている 一方田原に隣接しているお宮は1300年の経緯が記録されているとのこと ここ…

夕日の中の「小山の大将」

秋の夕日をあびる時心にはいろんな想いが去来する 落胆したこと 寂しかった時 男泣きして歯を食いしばった頃 連想はとめどない 桜の樹木の億にしずむ夕日の方向から少年の声が高々と聞こえてくるようだ A君の声 B君の声 そしてH君の声 皆元気で明るかった 私たちは 未だ幼い子達も仲間に入れてよく遊んだものだ すぐ傍のレンガ工場の丘に皆集まった 小さい子たちには気を配りながら丘の上から突き落とした 大き…

秋の夕暮れは早かった

秋の晴天が続き日々快適な快さ 晴れた日にモズがキキッと鳴く声がどこまでも浸透しそうだ 庭に佇み もう一度その声に聴覚を集中させる 再びモズは鳴かない 草虫の声が常に響いている 海の流木岸辺に流れ着いた浮きの玉 生け花の残材で遊んだのは 一番末の孫が2歳のころ この子今は小学4年生 梯を枝に吊るしのにいち早く気づき足をかけようとしている 「あぶない、、、それはカエルのはしごだよ、、、」 慌てて制す…

桜の年月 その楽しさ

桜を植え始めたのは二人の息子たちが中学生と小学生の頃 5本 10本と毎年植え続けてきた それが今大木に育ち 息子たちはそれぞれ父親になり 私は7人の孫達の爺になった 一番上の孫は今年大学生になった 桜の木を見上げて時折感慨に浸ることが多くなった 年おいてきた妻もババ-と呼ばれながら 孫達の世話を喜んでしている そうだ ババ-と一緒に並んで庭を歩きながら 桜の木に手のひらを当てるときの妻を後ろから…

庭仕事の楽しさ

庭が荒れ放題になっていたのでKさんに来てほしいと 頼んでいた 快く引き受けてくれて昨日から 庭に取りかかってくれて 見る見る様子が変わり始めた 庭に緑の線と面が明確になり新鮮味が清々しい 第一Kさんの仕事ぶりは てきぱきとして 定評が高い  丸刈りも線も際立ってくると桜をはじめ樹木が凛として 存在感を増してくれる Kさんは無口である 仕事の打ち合わせ以外で 自分から口を開くことはなく常にもくもく…

今月の月

フラスコにカンナの花 蔓は3日目 実を言うとカンナを生け花にするのは初めてのこと 水揚げはよくないらしいことは早くから知っていました その点 先人達は植物をよく選択して 花材にしている 古来このかた生け花に使用された植物は悉く品格を感じます 我が家の庭から眺めた月 宵にはよく見えた月もやがては雲に覆われました さすがに名月 月見る月は 今の月 人間が下り立った月は無機質でしたが ウサギが跳ねる月…

千秋楽 鶴竜かそれとも

花のメンバ-のMさんがパンパスを届けてくれた 白穂のパンパスは使い慣れているが このては初めてだ 白穂を生けるようにはいかない いろいろと花材を組み替えてみても これだという確信にはいたらない 昨日の蔓との出会いでやっと納得 合点できた 以前にイタリアンサイプレスであったか 長いパンパスを入手したことがあるがあれは どんなつかいかたをしたのか思い出せない 海の流木 すんなりした木と焼け焦げた木片…

初秋の風 冷たく

細い蔓が庭のこみちを遮っているので 切り取った 歩きながら蔓を いじくっているうちに二重の輪ができていた そのまま生けようと思ったが二重の輪はくどい 一重の輪のほうが軽やかです 例のごとくハランを当ててみる  OKだ 生け花は次々に想いが流れないと納得いく 作品にはなりません ニシキギの色づきで庭に秋色が増していきます 椿も咲いて早咲きの花は落ちて地面にも色が移ります お彼岸過ぎ吹く風に幾分冷た…

新鮮な季節の花を

1週間前までは晴天が続き椿の木を見上げては 花は咲きそうにないと思っていましたが その後雨がたっふりと降り続いて ふと見上げた木には薄いピンクの花が咲いている それも1,2輪ではない 群れをなして一度に咲いている この椿の枝は実にしなやかでためやすい 葉は幾分広葉で分厚く濃緑色は照っている 生け花には3拍子揃いです 手に取ってみると1年ぶりの馴染みの感慨が伝わってきます その季節の初花を手にした…

兄弟

長い連休に感じられました 年に一度か二度訪ねてくれる弟夫妻 庭を歩いたり お墓に参ったり その都度立ち話ができて嬉しい 彼でないと話せない諸々の記憶や逸話を共有している 間柄だからこそと思います 彼が車に乗って窓をあけて「元気でね、、、又」 といったお返しに「あなたが 元気で帰ってきてくれるのが 幸せだ、、、」 そういったとき胸の内が温かくなりました 二人とも既に70代 お互い体調に異変がおきて…