戦前から戦後の小学生の荒れ模様

国民学校から小学校にかけて田舎の学校は疎開組で

生徒数は膨らむ一方だった 机椅子は勿論教室さえふそくして

70人80人が狭い場所でひしめき合っていた

中にはいらいらして常に小競り合いがおこった

最も疎開組が増える中で地元組は我慢ならない


地元組のA君とB君は疎開組のS君やK君が目障りでしかたないので

人影に呼んではしごいていた S君K君の頬っぺたがはれ上がるのは

よく見かけられた 

田舎の地元組に比較して疎開組は勉強は上位になるし服装にしても

垢ぬけていた


5年生になるとぽつぽつ都会にうつり行く生徒もいたにしても

昭和23年 24年は未だ戦後貧困の真っただ中だった

子供たちは腹を空かせているが 殆どの地元組は農家で弁当を開くときは

銀飯を指して新米 新米と呟いた


疎開組と地元組の間では不穏な空気が流れていた

A君B君を中心に取り巻きのメンバ-は増えていき勢力が強まるにつれて

子競り合いも頻繁になった

都会の女の子たちがS君K君に集い 少し華やかになると

地元組はいらついた


疎開組のしごかれの人数モ次第に増えていき今ではリンチの場所も木陰の

道具置き場になつた その中はうす暗いうえにじめじめしていた

顔を殴られる疎開組が増え学校当局もほっておけなくなった


そんな状況のある日 昼休みの校庭は生徒の群れでひしめいていた

S君とK君を中心に疎開組のいじめられ役の10数人が その時意をけっして

構えた そこにA君とB君が現れた 二人とも何時もの様子ではない

何事かと少しおずおすしていつものふてぶてしさがない


S君が素早くA君の前に立ったと思うや間髪おかず強力なパンチがA君の顔面に

炸裂した 一撃で彼は背後に倒れた 同時にK君はB君に襲い掛かった

昼間の校庭が一瞬 水を打ったように静まり返った

先生陣が駆け付けた 鼻血に染まったA君は先生に急き立てられてその場から

きえた


この結末は明日にします

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